次世代のリーダーへ!『失敗に学ぶマネジメント術』

マネジメントに悩むマネージャーへ。『失敗のマネジメント』から成功を掴む。

サラリーマンが出世して年収を上げる5つのコツ

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老後に2,000万円の資金が必要になると言われている老後2,000万円問題。多くの方が資産運用や副業について考える大きなきっかけとなっています。実際多くの企業で副業が解禁されたり等社会の動きも変わってきていますが、私は本業でしっかりと収入を増やすほうが近道であると考えています。もちろん資産運用や副業も大切であると考えますが、本業がおろそかになっては本末転倒です。むしろ本業を頑張っていない方が副業で儲けようと思ってもうまくいかないと思っています。

では、どうすればサラリーマンが本業で収入を増やすことが出来るか、一緒に考えていきましょう。

 

 

1.出世するための5つのコツ

仕事で年収を上げるのに最も近道なのは、昇進昇格をして基本給を上げることです。実際私も同期入社の社員が何人もいますが、マネージャー職である私と平社員である同期社員とでは、おそらく数百万の年収の差があると考えられます(※同期社員の実際の金額は見たことがないのであくまで推測)。仮に年収で200万円違うとしても5年で1,000万。生涯賃金では更に大きな差となります。本業が万一ダメになったときのために副業を頑張る手もあるのですが、本業で身に付けたスキルは無駄になりません。まずはしっかりと本業で年収アップを図り、その後、万が一本業が駄目になったときの保険として副業を始めるほうが良いのではないかと個人的には思います。

 

(1)ヒューマンスキルを上げる

仕事をする上で、マネージャーには3つのスキルが必要と言われています。

①テクニカルスキル

業務遂行能力。仕事の進め方や業務に関する知識や技能。

②コンセプチュアルスキル

概念化能力。ものごとの本質や理論等をとらえる能力。幅広い視野で物事を判断する際に必要になるスキル。

③ヒューマンスキル

対人関係能力。コミュニケーションや交渉に必要なスキル。

…以上の3つです。テクニカルスキルは現場運営が中心になるロワーマネジメントに多く求められ、ミドルマネジメント、トップマネジメントに上がるにつれ求められる割合が減少します。逆に、コンセプチュアルスキルは、ロワーマネジメントには多くは求められませんが、ミドルマネジメント、トップマネジメントになるにつれて求められる割合が増加します。つまり、階層によって求められるスキルが変わってくるのです。

では、ヒューマンスキルはどうでしょうか。ヒューマンスキルに関しては、どの階層においても求められる割合は変化しないと言われています。つまり、どのマネジメントの階層にも同じ割合で求められるスキルなのです。

ヒューマンスキルが向上すると、お客様と円滑なコミュニケーションが取れるようになるだけではなく、風通しの良い職場を作ることが出来たり部下育成に役立ったり、マネージャーとして非常に仕事がしやすくなります。研修や本などを読んでインプットを行い、実際に現場でアウトプットを行う事でヒューマンスキルは磨かれていきます。

 

(2)数字に強くなる

仕事は数字で評価されます。数字で答えることが出来ない様ではいつまでたっても評価はされません。常に正確な数字で受け答えが出来るよう、自分の仕事に関する数字はしっかりと覚えましょう。

「売上どうだ?」という質問に対して『結構いい感じです』では「あ、こいつ分かっていないな」という印象を与えてしまい、重要な仕事を今後任せてもらえない場合もあります。『目標まであと○○万円です』と、正確に答えられるようになるようになりましょう。

 

(3)上司との関係を円滑に保つ

上司に対する『ゴマすり』は決して正しいことではありません。仕事は実力で評価されます。ゴマすりだけで出世できるほど社会は甘くありません。しかし、実力があっても十二分に発揮できなくては実力がないのと同じになってしまうのです。

自分の実力を発揮できる舞台を整えることが出来るかも実力のうちです。舞台を整えるには上司の協力は必要不可欠です。つまり、上司を味方につけることが出来るかも出世に必要な力となるのです。

過剰なゴマすりは必要ありません。しかし上司も人間、一緒に気持ちよく働ける部下を悪く思うわけがありません。ときにゴマすりと思えるような行動も、力を発揮するには必要になってくる場合もあるのです。

仕事を与えてチャンスをくれるのも仕事の評価をするのも上司です。上司との関係を円滑に保つことは出世へつながることは間違いありません。

 

(4)時間を大切にし自身の成長につなげる

さて、1.では出世するために必要なことを記載しましたが、直接出世につながらなくても、自信の成長を図ることは、将来的に副業や転職をすることにも有効になります。また、様々な能力を身に付けることで万が一会社が業務縮小などの措置をとることになっても、優秀な人材であれば切られることはありません。自身の成長は、生涯年収を上げることに大きな影響を与えるのです。

①残業代で稼ごうとしない

年収を上げるためには、残業代をもらうことが手っ取り早く思えます。しかし私はそれは絶対におすすめしません。

残業代=時間です。結局は時間をお金に変換しているだけです。貴重な時間をお金に換えているだけで、生産性が低いのです。5年後、10年後も手に入る金額に大きな変化はないでしょう。それは、そこに『成長』というものが無いからです(副業でも時給制のものをお勧めしないのも同じ理由)

それならば時間内に同じ成果を出せるように努力し、空いた時間を自身のスキルアップのための自己投資のための時間に費やすべきです。知識だけでなく、見た目に自信をつけるために、ジムなどに通うことも立派な自己投資です。

 

②本を読んだり資格の勉強をする

本を読むことは非常に勉強になります。成長したければとにかく本を読みましょう。過去を学ぶということは、失敗の可能性を小さくし、成功の可能性を大きくします。それは当然です。だって過去の成功性や失敗例が詰まっているのですから。本を読んでインプットし、現場でアウトプットを行い経験を積む。これが大切、必ずアウトプットまでつなげることです。

また資格の勉強を通じて知識を得ることも効果的です。例えば簿記を学べば会社のお金の流れを理解できますし、私が持っている国家資格キャリアコンサルタントを学べばコミュニケーションや自己理解の仕方を学ぶ事が出来ます。興味がある資格があれば、ぜひ積極的に取り組んでみましょう。

しかし世の中には様々な団体があり中には資格商法ともいえる様な、試験もなくお金を払うだけで取得出来たり、1~2か月の勉強だけで合格できるなど、あまり社会で通用しないような資格があふれているのも確かです。学ぶ場合には国家資格や公的資格など、社会的に認められている資格を中心に学ぶことをお勧めします。

 

③無駄な飲み会には参加しない

目的のない飲み会ははっきり言って時間の無駄と私は考えます。昔の同級生と飲んでいて、毎回同じような話をしているといった経験がある方もいるのではないでしょうか。たまになら気持ちの切り替えにもなりますが、毎週となると話は別です。また、会社の同僚とただただ愚痴を言い合うような飲み会にもあまり賛同できません。

時間は有限です。目的のない飲み会に時間とお金を投資するならば、自分の成長につながるものに使ったほうがよっぽど効果的です。

しかし、飲み会にも有益なものがあります。憧れの人やその世界のスペシャリストと話して自分の成長につながるものや、人脈の形成に役立つ者には積極的に参加するべきでしょう。自分の成長につながる飲み会であるかどうか、しっかりと見極められるようになることが大切なのです。

  

(5)資格を取得し自身の可能性を広げる

先ほども記載した通り、資格の勉強をすることは自身の成長につながります。よく『資格をとっても意味がない』とか『実務経験の方がよっぽど役に立つ』というような声を聞くことがありますが、私は決してそうは思いません。実務経験が重要なのはごもっともですが、資格を取得することでスタートラインに付けることも多くあります。また資格を取得することで周りからの信頼度が上がることも間違いないのです。

 私は、『資格を取っても意味がない』というのは、資格がない方の負け惜しみだと思っています。正しくは『資格を取っても活かさなくては意味がない』なのです。直接の仕事に影響することはなくても、仕事に活かせることは多くありますし、それによって評価が上がり多くの仕事を任せられ、結果収入がアップするということはよくあることです。また、資格を取得することで収入アップの転職につながることもあります。

実際私は産業カウンセラーや国家資格キャリアコンサルタントの資格を取得していますが、直接カウンセリングを行ったり相談業務を行ったり等の仕事はしていません。しかしそれらの資格を持っていることで社内の教育プロジェクトのリーダーを任せられ、多くの社員の前で講義をする機会を得ることが出来ました。通常の社員では経験できない講師やプロジェクトリーダーを経験することができ、自身の可能性は大きく広がったと感じています。

 

2.転職をすることはいけないことなのか

現在の会社で出世がなかなか難しいようなら、転職をすることも一つの考えであると思います。しかし通常は転職をすることで年収が下がってしまうケースも多くあります。そうならないために、①これまでの経験が活きる転職をする②自身の能力が生かせる転職をする…ということが重要です。

先ほど記載した資格取得をすることも転職を有利に進めるコツです。しかし、まったく異業種で実務経験のないものへの転職は難しい場合もあります。そう言った部分では自身の転職に活かせるスキルは何か、キャリアコンサルタントやキャリアカウンセラー等に相談を行い、自身の棚卸しを行う事も効果的です。

安易に転職を選んでしまうと癖になり、どんどん収入が下がってしまう、という可能性もあります。また独身なのか、家族がいるのか。20代なのか40代なのか。環境は様々です。なぜ転職をしたいのか、自身の環境はどうなのかを総合的に見ることが必要になってきます。こういった部分もキャリアコンサルタントに相談することで明確にすることが出来ます。

 

3.副業するときの注意点

副業をし、本業を別の収入減を作ることはこれからの時代とても重要なことになってくると思われます。しかし、副業をすることで本業がおろそかになっては本末転倒です。

私はまずはしっかりと本業で結果を出すことが重要であると考えています。本業でしっかり結果を出し、きちんとした収入減を得てから行動しても遅くはありません。また、アルバイトなどの時間をお金に変換するような副業もお勧めしません。

またネット上には簡単にお金を手に入れられるようなものや、SNSなどを通じて勧誘されることなどもありますが、簡単にお金を稼ぐことが出来るものは無いと考えたほうが良いです。簡単に大金持ちになれるようなら、なぜその人は自分だけで独占しもっとお金儲けをしようとしないのでしょうか。なぜ簡単に紹介してくるのでしょうか。甘い話はありません。注意しましょう。

 

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。サラリーマンが出世して年収アップするためにすべきことをまとめてみました。世の中お金が全てではありませんが、お金があればより豊かな生活を送ることが出来ます。

自分自身が成長し、様々な知識を身に付け行動することが出来るようになればお金はついてきます。

何をしたいのか、そしてどうなりたいのかを明確にした上で、自分自身に投資をしていきましょう。必ず結果はついてきます。

 

クレーム対応編 ~悪質クレーマーから管理職がチームを守る方法~

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チームをマネジメントする上で避けては通れないクレームへの対応。小売店を例にとると、クレームを言う割合は、不満を持ったお客のたった4%と言われています。つまり、96%はクレームを言うことなく店を去るサイレントクレーマー。4%のクレームには、問題点を探り改善することで更に顧客満足を上げることが出来るチャンスも大いにあるため、『お客様の声』といってクレームを集めている企業もあるほど。

しかし、クレームは企業側に問題があるものばかりではありません。一部ではありますが、無理難題やいちゃもんに近いレベルのものを要求してくる、いわゆる『悪質クレーマー』という存在もいることも確かなのです。

悪質クレーマーに振り回されては、時間も体力も大きく無駄に消費してしまいます。今回はそんな悪質クレーマーから、マネージャーとしてチームを守る方法を考えていきましょう。

 

 

1.悪質クレーム対応時に気をつけること

(1)クレームが大きくなることを恐れない

悪質クレーマーに出会ったしまったときは、必ずすぐに会社に報告しましょう。そして会社としての対応の方向性を決めるのです。

マネージャーだからと言って自分一人の考えで行動してはいけません。必ず会社として情報を共有することが大切なのです。

会社がバックについてくれていると思うことで安心感が芽生えます。悪質クレーマーは大概、クレームを大ごとにしようとします。「お前の社長に言ってやる」「悪い噂を広めてやる」等…。

クレームが大きくなることを恐れてはいけません。会社としてできることとできないことがあります。最初にそこのラインをはっきりさせることで安心感と自信をもって悪質クレーマーに向かうことが出来るのです。

 

(2)一人では対応しない

悪質クレームの対応をする上で最も大切なのが、『一人では対応しない』ということです。危険なことがあるかもしれません。一人が対応している間、万が一何かあったときはすぐ警察に連絡できるよう、必ず2人以上で対応しましょう。人数が多すぎてもダメです。相手が刺激され激高する可能性もあるからです。基本的に、クレーマーの人数+1名と考えるといいでしょう。そしてもう一つ。相手が女性の場合、必ずこちらにも女性を入れること。もし体に触れてしまった場合「セクハラだ!」となる可能性もあるからです。

 

(3)自分の考えを言わない

悪質クレーマーがよく使う手が、「お前はどう思うんだ」「お前の考えはどうなんだ」と言ってくること。これは、対応している者の言葉尻をとらえて攻撃してくるチャンスを探っている言葉なのです。

万が一『私が悪いと思います』とか『慰謝料を払うべきだと思います』なんて言ってしまっては、悪質クレーマーの思うつぼ。『会社としての考えは○○です』と自信をもって答えましょう。

今すぐ答えられないことを言われ「どうしてくれるんだ!」と迫られたときは、『上司に確認し、後日回答させていただきます』と答えればいいのです。

 

(4)悪質クレーマーという情報を集める

悪質クレーマーと対応する上で常に持っていたい考えは、『いつでも弁護士に相談する準備をしておく』ということ。

しっかりとメモを取ることが大切です。ボイスレコーダーを忍ばせておくことも必要になるかもしれません。私が悪質クレーマーの対応をしたときは『言った言わないはトラブルのもとになるので録音させていただいてよろしいでしょうか』といって目の前で録音を開始したこともあります。

弁護士に出す情報が増えるというメリットだけではありません。録音されているという安心感。そして万が一脅迫行為を受けたら相手を訴えることもできるという考えは、クレーム対応をする上で大きな強みになります。だって相手が暴言や脅迫をして来れば来るほどこちらが有利になる条件が揃ってくるのですから。

 

2.私がマネージャーとして失敗した例

私が複数店舗の管轄しているエリアマネージャー時代、ある店舗が悪質クレーマーに悩まされていました。しかし当時の私は、会社の『顧客第一』という理念のもと、店舗の店長に穏便に済ませるよう指示を出しました。

しかし、それが間違いだったのです。悪質クレーマーの要求はどんどんエスカレートし、店舗が自分の所有物の様に好き勝手ふるまうのです。しかし、本社(私)の指示は『顧客第一』。どんどん店長も従業員も疲弊してきてしまいました。

そしてあるとき。『仕事を辞めます』と私は複数の従業員に言われてしまいます。理由は、いつその悪質クレーマーが店舗に来るか、いつ電話が来るか、不安で仕事が手につかない。こんなにストレスを抱えてしまうなら、好きな仕事でも辞めるしかないという判断に至った、という事を私は従業員に聞かされました。

ここで私は重大な間違いに気付くのです。守るべきは目の前の小さな売上ではなく、従業員であるということに。

そこからの私の行動はとても速かったと記憶しています。店長や従業員にクレーマーと戦うという意思表示をし、資料をまとめ経営陣にプレゼンし『出入り禁止』の許可をもらい、弁護士事務所へ向かいました。そして弁護士と相談した上で悪質クレーマー宅へ配達記録で『出入り禁止』の通知を送ったのです。

その後、店舗ではいつその悪質クレーマーが怒鳴り込んでくるか心配してましたが、その後ピッタリと店舗に来ることはありませんでした。堂々とこちらが行動すれば、悪質クレーマーといえどもひるんでしまう代表的な例だと思います。

従業員には笑顔が戻り、店舗の売上も好調に上昇することになります。私はおろかな考えで大切な従業員を失ってしまうという大きなミスを犯してしまうことを寸前のところで免れることが出来たのでした。

3.まとめ

『企業は人』です。管理職として守るべきは、目の前の一時的な売上ではありません。会社にとってプラスなのかマイナスなのかを冷静に見なければなりません。そしていざというときは目の前の一時的な売上を捨て、部下を守らなければならないケースも出てくるのです。

一つ注意したいのが、安易に悪質クレーマーと決めつけないことです。最も大切なのは、管理職は常に冷静で状況を見るということ。その上で悪質であればひるむことなく堂々と対応すればいいのです。

 

 

 

コミュニケーションスキルを磨いて営業力、販売力を上げる方法


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対人関係で大変重要と言われるコミュニケーションスキル。コミュニケーションスキルを磨くことで周りとの連携がしやすくなり仕事がはかどるだけでなく、営業力や販売力の向上にもつながります。ここでは、コミュニケーションスキルがなぜ営業力、販売力を上げるのに大切なのかをお話していきます。

 

 

1.コミュニケーションとは

(1)コミュニケーションの定義

コミュニケーションとは、送り手から受け手へと情報が移動する過程です。コミュニケーションがなければ情報を伝えることができません。

 

(2)コミュニケーションの仕組み

コミュニケーションには①誰(送り手)が②何(メッセージ)を③どのような経路で④誰(受け手)に伝え、⑤どのような影響(効果)を生じたのかという、5つの要素があります。営業や販売では、コミュニケーションスキルを磨くことで、より良い影響(効果)が期待できるようになります。

つまり、お客様とより良いコミュニケーションをとることが出来れば、お客様に満足してもらえる機会がどんどん増える!ということになります。

 

2.コミュニケーションの基本

(1)第一印象を良くする

第一印象は0.5~10秒で決まると言われています。第一印象を決める要素は

①視覚的要素:見た目の印象(服装・髪型・化粧・表情)

②聴覚的要素:声の印象(声のトーン・スピード・間・イントネーション等)

③言語:話の内容(短時間に相手に伝えられる技術)

…の3つです。以上の3点に注意を払えば、第一印象は良くなります。

 

(2)メラビアンの法則

視覚・聴覚・言語という3要素は『メラビアンの法則』というものでも挙げられています。心理学者のメラビアンが論文の中で、人が第一印象を決める要素は先に挙げた3要素と述べているのです。

例として次のようなもので考えてみましょう。

例)怒ったような表情で「ありがとう」と暗い声で伝える

感謝の気持ちを伝えたいはずなのに、表情と声が矛盾してしまっています。このような場合、相手はありがとう(言語)よりも、暗い声(聴覚)と怒ったような表情(視覚)を優先して受け取ってしまうのです。

印象に影響を与える割合は以下の通りです。

・視覚的要素・・・55%

・聴覚的要素・・・38%

・言語・・・7%

3つの要素に矛盾が生じた場合、人はどのような要素を優先して受け取るかという数字になります。話す内容は二の次…という事では決して無く、3つの要素が一致してこそ自分の感情や気持ちが相手に伝わりやすくなるのです。

 

(3)第一印象で気を付けること

①身だしなみ

特に重点を置かれるのは清潔感。自然なメイクや整えられたヘアスタイル、清潔な服装が大切です。お客様がどう思うか、信頼される身だしなみを心がけましょう。お客様の前に立つ前に、一度鏡で全身を確認する、ということも効果的です。

②表情

スマイルは第一印象に大きな影響を与えます。口角の上がった優しい表情でほほ笑むことで、お客様に良い印象を与えます。また、このコロナ禍の状況の中では、マスクで表情がわかりにくいこともあります。特に目元の表情には気をつけましょう。

 

3.好感度を上げる話し方をするために

(1)通常の言葉にプラスアルファを心がける

例えば帰り際にお礼を言うとき。

「本日はありがとうございました」+「お気をつけてお帰り下さい」

の様に、プラスアルファのお声がけを意識するとお客様との距離は近くなります。①共感力②一歩先をイメージ③優しい思いやりのある言葉…。これらを意識していくことでお客様は親近感を抱いてくれるのです。

マニュアルの言葉が悪いという事ではありません。ただし、マニュアルは最低限の言葉、マニュアル通りだけしておけばいいということはありません。私も若かりし頃、『お前はマニュアル通りだな』とお客様にお叱りを受けたことがあります。きっと、融通が利かなく機械的な対応だったのでしょう。今ならそのときのお客様の気持ちがよくわかります。

 

(2)お客様を良く『観る』

お客様を「見る」のではなく「よく観察して観る」と、お客様が声に出さなくても気持ちを汲み取れることがたくさんあります。一歩先のイメージ(予見性)を持って行動し、「目配り・気配り・心配り」を持って行動することが大切なのです。

 

(3)一歩踏み込む勇気

ときには一歩踏み込むと「余計なお世話だ」と言われる可能性もあります。電車で席を譲ろうとしたことがある方はこの気持ちがよくわかるのではないでしょうか。しかし、相手によって反応は異なるため、行動して観なくてはわかりません。ほとんどの場合は喜ばれることの方が多いのです。

失敗したら心からお詫びすればいいだけ。今回はうまくいかなくても、他のお客様には喜んでもらえるかもしれません。一番いけないのは何も行動しないこと。現状を維持するだけでは成長はなくなってしまうのです。喜んでもらえる可能性のある行動は積極的に行う事が大切です。

 

4.信頼感へつなげる聴き方

(1)3つの聴く

 『きく』には3種類あります。

①『聞く』:意識せず音や言葉が耳に入ってくる状態。Hear。

②『訊く』:たずねて答えを求める。答えに迫るため質問すること。

③『聴く』:耳だけではなく、目と心を併用してきくこと。

信頼感へつなげる『きく』は③の『聴く』です。傾聴とはじっくり共感的に聴くことでお互いの間に信頼感が芽生え、そして安心感が生まれます。相手の人となりや考え方を理解するのは『傾聴力』です。相手の気持ちを的確にくみ取れるからこそ良好な関係を築くことが可能になるのです。

 

(2)傾聴の基本的態度

アメリカの臨床心理学者のカール・ロジャース※は、カウンセリングに桶慶長の基本的態度に3つの条件をあげています。

※臨床心理学者の権威。現在では当然のものとなっているカウンセリングの手法を創始。心理相談相手を最初にクライエントと称した

①受容(無条件の肯定的配慮)

相手をそのまま受け入れること。どんな相手であっても受け入れることが大切です。

②共感(共感的理解)

相手が感じているように感じ、考えている様に考えること。相手の主観的な見方、考え方、感じ方を『あたかも』その人の様に見たり、感じたり、考えたりすること。『あたかも…の様に』という姿勢が大切です。

③自己一致

うわべを飾ったり、見せかけの態度ではなく、ありのままの態度でいることです。嘘のない態度をとることが大切です。

 

(3)傾聴力の活かし方

「傾聴力」は、営業や交渉にも大きく役立ちます。

傾聴力が磨かれていくと、お客様との会話の中から顧客ニーズを引き出すこともできます。相手の考えに寄り添い共感して意見を探ることで、何を求めているか理解できます。

その結果、的を射た提案が出来るようになり、お客様に満足していただくことができ、結果的に売上アップや業績向上につながっていくのです。

 

 (4)『聴く』質問の仕方

①オープンクエスチョン(開かれた質問)を使う

ハイかイイエで答えられる質問は、クローズドクエスチョン(閉ざされた質問)といいます。それに対しオープンクエスチョンは相手が自由に話せる質問です。

例として、ある薬局での風景をイメージしてみましょう。

・クローズドクエスチョン「風邪薬をお求めですか」

・オープンクエスチョン「今日はどうされましたか」

クローズドクエスチョンは話しやすい反面、話したいことを自由に話せないというデメリットもあります。相手に自由に話してもらえるような環境作りが大事になってくるのです。

②丁寧に受け止めてから質問する

「風邪っぽくてのどが痛いのよ」と言われたら、『風邪っぽくてのどが痛いんですね』と質問の前に共感の言葉を伝えると、受け止めてもらっているという安心感が芽生えます。こちらはオウム返しではなく、伝え返しといいます。

「風邪っぽくてのどが痛いのよ」

✖「それでしたらこちらの風邪薬がおすすめです」

〇「風邪っぽくてのどが痛いのですね。それでしたらこちらの…」

③間を大切にする

一方的に話すより『間』を大切にして相手の悩みや不安を聴かせてもらえる様に意識しましょう。相手の本当のニーズをくみ取るために『間』を大切にして、一泊おいてから話をしましょう。まずはしっかりと聴くことが大切なのです。

 

5.コミュニケーションの営業、販売への活かし方

①視覚的要素:見た目の印象(服装・髪型・化粧・表情)

・視覚的要素・・・55%

②聴覚的要素:声の印象(声のトーン・スピード・間・イントネーション等)

・聴覚的要素・・・38%

③言語:話の内容(短時間に相手に伝えられる技術)

・言語・・・7%

という数字を先ほど述べました。

会社では様々商品知識であったりお金の仕組みであったりを一生懸命に学んでいると思います。しかし、知識は伝わらなくては意味はないのです。せっかく学んだ知識を活かすには、やはりコミュニケーションスキルを磨くことが大切なのです。知識を伝えお客様に満足してもらうことが出来るよう、コミュニケーションスキルを身に付けましょう。信頼関係を構築できるようになれば、きっとお客様から次回もあなたに声がかかり、永続的な効果も期待できるようになるのです。 

 

ゴールキーパーが教えてくれたチームマネジメント


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私は学生時代、サッカー部に所属していました。日が暮れるまで毎日全力で取り組んでいたサッカーと青春の日々。

ポジションはゴールキーパーゴールキーパーというポジションを通じて、私はたくさんの事を学びました。ゴールキーパーには組織をマネジメントするヒントがたくさん散りばめられており、現在でもその考え方は大いに役に立っています。「コミュニケーション」「チームビルディング」「メンタルマネジメント」…。

チームとして勝利を目指す事と組織として目標を達成する事。多くの共通点があります。ゴールキーパーとしての考え方を通じてマネジメントを学び、チームを成功に導きましょう。

 

 

1.管理職とゴールキーパーの共通点

ゴールキーパーは、チームに一人しかいません。一人だけ違うユニフォームを着用し、一人だけ手を使うことができます。

最後尾に位置し、全体を見ながら試合をコントロールする、という部分では、管理職(マネージャー)と一致します。チームには監督もいますが、監督は試合に出ることができず実際にプレイできないため、管理職(マネージャー)というよりは経営陣に近いものがあるのかもしれません。

(1)責任が大きい

サッカーは点を取り合うスポーツです。野球よりも点が入りにくいスポーツであり、1点の重さは他のスポーツと比較し重いものがあります。つまり、失点が直接勝敗に大きく影響してしまうのです。

ゴールキーパーが点を許してしまうということは敗北に近づいてしまうという事。これは、仕事における管理職(マネージャー)の責任感と共通するものがあります。

ゴールキーパーは敗北の責任を負うことは多くあっても、勝利のヒーローになることは少ない。そんななところも共通点であると感じます。

(2)点を取ることができない

ゴールキーパーは余程のケースを除いて、ゴールを決めることができません。これも管理職(マネージャー)に共通する事です。

管理職(マネージャー)は部下に指示を出し、実際に行動するのは部下です。上司としてフォローすることができても実際に攻めあがることはできません。いや、攻めあがることはできるとしても、ゴールキーパーというポジションががら空きになるのです。そうすれば現場は混乱に陥ってしまいます。ゴールキーパーは最後尾に位置し、常に全体を見なくてはなりません。そういった部分も共通点です。

(3)精神的支柱

絶対に失点しないということはサッカーをしている限りあり得ません。いつかは必ず失点してしまいます。しかし、ゴールキーパーに求められるのは、失点した後の態度なのです。

失点したあと、責任を感じて落ち込んでいたらチームはどうなるのでしょうか。どんどん雰囲気は悪くなり、モチベーションも下がり、さらに失点を許してしまうことになるでしょう。ゴールキーパーには気持ちの切り替えが求められるのです。

常に前を見て勝利を信じ、チームを鼓舞する。決して最後まであきらめない。何点取られても最後まで必死に声をかけゴールを守る。そういった態度がゴールキーパーには求められます。

管理職(マネージャー)も同様です。最後まであきらめてはいけません。熱く周りに声をかけながら、心は常に冷静に勝利への糸口を探し続ける…。そういった姿勢に、部下たちはきっと勇気づけられるのでしょう。

 

2.ゴールキーパーが教えてくれた考え方

さて、管理職(マネージャー)とゴールキーパーの共通点をいくつかあげました。役割が似ているということは、考え方も共通するもの多くあります。これからは、私がマネジメントを行う上で実際に大切にしている考え方を記載します。

(1)ゴールキーパーは全体を見る

ゴールキーパーというポジションは、最後尾に位置します。そのため、チーム内の全員の動きを見ることができます。ゴールキーパーは常に声を出し、指示を出し続けなくてはなりません。

ポジショニングがおかしいようなら指示を出し、修正しなくてはなりません。マークがついていない敵選手がいれば、マークについてもらわなくてはなりません。逆に、相手選手の守備にほころびができれば、そこから攻め込むように指示を出します。つまり、常に全体の状況を把握し指示を出し勝利を目指すのです。

良いプレイがあれば褒め、ミスがあったら声をかけ切り替えを促します。自分の『ゴールを守る』というプレイがありながら、全体を見なくてはならないのです。

自分の事で頭がいっぱいになってはいけません。常に冷静でいなければならないのです。いや、冷静さを失った時点で勝利が遠のくのです。

『どんな時でも冷静に』。常に冷静にどうやったら勝てるかを考え続けなくてはなりません。これはマネジメントを行う上で大切な考え方です。

(2)ゴールキーパーは目立たなくていい

ゴールキーパーが目立つということは、チームが押されているということ。つまり、ピンチのとき。チームにとってピンチなど無い方がいいに決まっています。そのため、ピンチを未然に防ぐことが重要になるのです。

ポジションのずれはないか。攻め方が一辺倒になっていないか。ゴールキーパーはフィールドプレイヤーに指示を出し、ピンチにならない様努めるのです。

私の学生時代あこがれたゴールキーパーはこんな言葉を残しています。『ユニフォームの汚れないゴールキーパーが良いゴールキーパー』。ピンチを未然に防ぎ、自らも状況を把握し常に正しいポジショニングを取る。そうする事で失点を未然に防ぐということ。ゴールキーパーに派手なプレイは必要ないのです。そういった部分でも管理職(マネージャー)と共通します。目立つのは自分ではなく、実際に行動する部下でいいのです。

(3)チームのピンチが活躍のとき

そうはいっても、どうしようもなくピンチを迎えることもあります。そんなときがゴールキーパーの出番です。チームで唯一使える手を使い、ゴールを守るのです。

ビジネスでもたくさんのピンチがあります。逆境で苦しかったり、批判を浴びたり。そんなときこそ管理職(マネージャー)の出番です。

そして冷静にピンチを何事もなかったかのように防ぎ、またチームのメンバーに前を向かせる。良くも悪くもチーム内の雰囲気を左右する重要なポジションなのです。

3.まとめ

いかがでしたでしょうか。以上がゴールキーパーというポジションから学んだマネジメントの考え方です。

中には目立ちたがり屋の上司もいます。そんな上司は、良い結果のときは自ら前に出て注目を浴び成果を自分のものにしたがります。そして上手くいかなかったときは部下のせいにして責任から逃れようとします。そんなことではチームの士気が上がるわけもなく、部下もついていこうとは思いません。

成功はチーム全体で取り組んだ結果。上司は主役である必要はありません。ゴールキーパーのように、重要な役割を持ちながら後ろから全員を支える、そんな存在であればいいと思うのです。

 

 

 

管理職が朝のランニングや筋トレをした方が絶対に良い理由


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チームをマネジメントする管理職は非常に忙しいものです。ですが私の知っている範囲では、仕事のできるマネージャーほどジムに通ったりランニングをしたりして体を鍛えている方が多い印象を受けます。

なぜ仕事のできるマネージャーほど体を鍛えるのでしょうか。

それにはきちんとした理由があります。出世や年収アップを狙いたい人ほど筋トレをしたりランニングをしたりして体を鍛えることをお勧めします。

 

 

1.朝ランニングをした方がいい理由

疲れている時ほど一分でも長く寝ていたいもの。なかなか布団から出ることが出来ません。でも精神的に疲れた時ほど朝は早く起きてランニングをしましょう。

それにはきちんとした理由があります。

 

(1)朝日を浴びると『幸せホルモン』が分泌される

朝日を浴びると、『幸せホルモン』と呼ばれるセロトニンという成分が分泌されると言われています。

セロトニンは、心のバランスを整えたりストレスを軽減させたりする、いわゆる『幸せホルモン』。逆に、セロトニンが不足すると脳の機能が低下したり、ストレス障害やうつ、睡眠障害の原因になることで知られています。

朝に日光を浴びると体内のリズムが整い頭と体がすっきり目覚めるだけではなく、セロトニンの分泌というメリットがあるのです。

 

(2)単純なリズム運動が『幸せホルモン』を分泌する

管理職は常にストレスと隣り合わせです。しかし、ストレスを感じた時こそランニングが効果的なのです。先ほど紹介したセロトニンは、歩いたり走ったりする単純なリズム運動をすることで分泌されやすいと言われています。

 セロトニンでストレスが解消されるとともに、ランニングで肉体に負荷がかかれば、更にストレス耐性が強くなるという好循環が生まれるのです。

 

(3)新鮮な空気や四季を感じることで心が豊かになる

朝の新鮮な空気の中を走るというものは、とても気持ちのいいものです。四季の移り変わりや季節のにおいを感じることが出来ます。実際私は、それまで花には興味がありませんでしたが、外を走り始めてからは咲いている花を美しいを思うようになりました。

こういったものを感じると、脳は刺激を受けます。脳が刺激を受ければ新しい発想もどんどん生まれてくるでしょう。

 

(4)体形維持に効果抜群

有酸素運動は脂肪を燃焼させることで知られています。また、継続して走ることで基礎代謝があがり、痩せやすく太りにくい体を手に入れることが出来ます。

また、食事後運動すると食事したものが優先的にエネルギーとして使われてしまうため、痩せたいならな空腹時に走ることが効果的なのです。

管理職は体形に気を付けなければなりません。コミュニケーションスキルを語るときによく使われるメラビアンの法則では、視覚的要素は55%を占めると言われています。相手に良い印象を与えるには見た目も重要。だらしない体より締まった体の方が間違いなく相手に好印象を与えます。

 

 

2.体が大きいと年収が高いというデータがある

アメリカの心理学会の専門誌に発表されたある研究で、身長が1インチ(約2.5cm)高くなると年収が9~10万円程高くなるというデータが発表されました。ちなみに歴代のアメリカ大統領は、ほとんどが平均身長以上だとか。

これは、体が大きいことで安心感や頼りがいがあるという印象を与え、出世や年収アップにつながっているということ。

出世や年収アップを狙いたい!頼りがいがある存在になりたい!…といった場合、身長を大きくすることが出来ればいいのですが、大人になってからは身長を伸ばすことなどできません。なら、体を大きく見せればいいのです。体を大きく見せるにはどうするか。先ほど述べたように視覚的要素は55%、ぶくぶく太ってしまっては清潔感もなく相手に良い印象を与えることはできません。

そこで筋トレの出番です。

筋トレをすることで体を引き締めて清潔感を出しながら、胸板や上腕二頭筋を厚く太く力強く、体を大きく見せることが出来ます。

体つきだけで信頼度が変わるのであれば、筋トレをして体を鍛えない手などないのです。

 

 

3.体を鍛えることで心に余裕が生まれる

 

(1)自信がつく

正直、筋トレは非常に大変です。ときには苦痛を味わうこともあります。体への負担も大きく、疲労もたまります。

しかし、終わったときの達成感は素晴らしいものがあります。日々苦痛を乗り越えることで自分に自信が持てるようになります。さらにストレス耐性ができ、多少のことでは動じなくるメリットもあります。

更に、見た目がよくなることも自信につながります。自信満々の人は、それだけで周りにとっては頼りがいのある存在となるのです。

 

(2)オスとしての圧倒的余裕が生まれる

嫌な上司からネチネチ説教をされても、嫌いな人から嫌味を言われても、『いざとなったら取っ組み合いでは絶対に負けない』という気持ちがあれば、余裕をもって聞き流せるものです。

動物的な意味で言うと、肉体的な強さはオスとして上。何か身の危険が起きても大丈夫という安心感は、心に余裕を与えます。つまり多少のことでは動じなくなるのです。

心に余裕があれば常に冷静な判断を下すことができ、それは仕事への成果へと直結していきます

 

 

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。以上が出世や年収アップを狙いたい人に筋トレをしたりランニングをしたりして体を鍛えることをお勧めする理由です。

もちろん知識のインプットやテクニカルスキルを磨くことも重要なのですが、それを発揮できなければ意味はありません。

いつでも知識やスキルを発揮できるような肉体、精神状態にしておくことが管理職にとっては非常に重要なのです。

 

 

 

 

『初めての部下×初めてのマネジメント』で気を付けること


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会社で経験を積み結果を出すと、待っているのが「昇進・昇格」です。役職が上がると、それまでは1プレイヤーとして自分の結果にこだわれば良かったものが部下を持つとそうはいきません。

チームの売上管理だけではなく、部下の育成、チーム内のこコミュニケーションやモチベーションの管理などやることがたくさんです。中にはプレイングマネージャーとして自らの結果を追いながらチームの結果を求められることもあります。

一言で言うと、『マネージャーはとても忙しい』。これにつきます。マネージャー一人ではチームの目標を達成することはできません。部下と良いコミュニケーションを取り、一丸となって目標に取り組む事が大切なのです。ここでは、初めてマネジメントを行う方へのアドバイスをまとめてみました。

 

 

1.手段と目的を明確にする

例えば、あなたがコンビニのオーナーだとします。

本日の売上目標は100万円です。売上目標を達成するために、新商品で話題の弁当を100個注文しました。弁当を販売することで売上を作り本日の売上目標を達成しようと考えたのです。

そこで注意したいのは『目的』と『手段』。弁当を100個販売しても、売上が100万円に届かなければ目標は達成できません。弁当を100個販売することはあくまで『手段』であり、『目的』ではないのです。

時折、『目的』と『手段』を間違えているマネージャーを目にします。本来達成しなければならないこと(目的)は何か、そのためにとる行動(手段)は何かを明確にしなければなりません。マネージャーとして判断に迷ったときは、『目的』と『手段』を明確にすることが大切なのです。

 

2.指示の背景や期限を明確にする

(1)指示の背景を明確にする

ここでも一つの例を出します。急にあなたに『外に出て走れ』という指示が出たらどう考え、どう行動するでしょうか。

『なんで走らなきゃいけないのだろう』『外を走ることに何のメリットがあるのだろう』…そんなことを考えるはず。素直に外に出ていく人は少数でしょう。それは、外を走る目的があなたには伝わっていないからです。

会社対抗の運動会があるのか、それとも何か他の目的があるのか。外を走ってもらおうとするには、『なぜ走らなければならないのか』という背景の説明が大切なのです。

指示を出す前には、必ず指示を出すに至った背景があります。部下にこちらが思っている通りの行動をしてもらいたいのならば、指示とともにその指示を出すに至った背景を、マネージャーの言葉で伝えることが重要になってきます。

 

(2)ゴールと期限を明確にする

あなたは走る理由を理解し、外に出ました。しかしこれからどこに向かって走ればいいのでしょう。一体いつまで走ればいいのでしょう。

目的地が分からなければ走ることはできません。そして、人は永遠に走り続けることもできません。

どこに向かって走ればいいのか、いつまで走ればいいのか、明確に指示を出さなければならないのです。ゴール(目的地)と期限を明確に示すこと。明確に示すことができれば、部下は安心して行動することが出来ます。部下に安心感をもって行動してもらう、これもマネージャーの大切な役割です。

 

(3)進捗管理を忘れない

さて、走り出させることができました。当初の目的は果たせたように思えるかも知れません。しかし、本当のマネージャーの役割はこれからです。

マネージャーの仕事は『やれ』と言って終わりではありません。むしろ『やれ』と言ってからがスタートです。『やれ』と言ってマネージャーの仕事が終わるようではそれは『任せる』ではなく『放任』『丸投げ』なのです。

遅れているようなら指示を出し、道を逸れているようであれば声をかけ軌道修正しなければなりません。これも大切なマネジメントです。

マネージャーは常に部下の動きに意識を向け、声をかけたり報告を受けたりして進捗の管理を行うことが大切になってきます。そして、報告はただ受けただけではダメです。必ず自分の目で確認しましょう。人はウソをつく時があります。また人のモノサシの長さは違うので、マネージャーと部下では見えているものが違うこともあります。後で求めているものと違って大慌てしても手遅れです。ですので、進捗管理や確認は非常に重要なのです。

 

3.雰囲気をマネジメントする

いくら能力の高い人が集まっても、雰囲気が悪ければモチベーションは上がりません。モチベーションは仕事の成果に大きく影響します。

マネージャーの発言や行動は、チーム内の雰囲気を大きく左右します。そして、雰囲気を良くするにはコミュニケーション能力が必要です。ですので、マネージャーにはコミュニケーションスキルも求められるのです。

コミュニケーションスキルを語るとき、よく耳にするものに『メラビアンの法則』というものがあります。コミュニケーションをとる際、感情や態度について矛盾したメッセージが発せられた際、受け取る側には見た目などの視覚情報が55%、口調や声のトーンが38%、話の内容が8%伝わるといった内容のものです。

口では『ありがとう』と伝えていても、怒ったような表情、暗いトーンで伝えてしまっては、怒った表情が55%、暗い声のトーンが38%も伝わってしまい、『ありがとう』という本来伝えたい内容はほとんど伝わらないということになるのです。

ですのでマネージャーは、話の内容はもちろん、表情などの見た目や口調、声のトーンにまで気を配る必要があるのです。

 

4.まとめ

さて、いかがでしょうか。

マネジメントをする際、気を付けなければならないことはたくさんありますが、まずはこれらのことをしっかり意識し行っていくことが信頼されるマネージャーになるための第一歩です。

最も大切なことは、周囲と円滑なコミュニケーションを取り部下が働きやすい環境を作るということ。

初めてのマネジメントは大変ですが、チームで結果を出すことが出来れば喜びもこれまでと比になりません。チームで結果を出すことが出来れば部下のおかげ、結果を出すことが出来なければマネージャーの責任、そう思って他責にせず責任感を持って仕事に取り組む意識こそがマネージャーにとって最も重要な事であると考えます。